関数電卓のRAD・DEG・GRADの違いと角度モード

電卓のRAD・DEG・GRADは角度の単位を切り替えるモードで、同じ数字でもモードが違えば三角関数の結果はまったく別の値になります。電卓 rad deg」で結果がおかしいと感じるときは、ほぼ確実にこの角度モードの設定ミスが原因です。DEGは度(一周360度)、RADはラジアン(一周2π)、GRADはグラード(一周400)を表し、三角関数を扱う前に必ずどのモードかを確認する必要があります。

DEG・RAD・GRADとは何か(電卓 rad deg の基本)

角度の単位には主に3種類があり、関数電卓ではこれをモードとして切り替えます。それぞれの一周の値は次のとおりです。

  • DEG(度):一周を360で割った単位。日常でもっともなじみがあり、直角は90度です。
  • RAD(ラジアン):円の半径と等しい弧の長さに対応する角度で、一周は2π(約6.283185)です。直角はπ/2(約1.570796)になります。
  • GRAD(グラード/ゴン):一周を400とする単位。直角がちょうど100になるため測量分野で使われます。

電卓の画面上部に小さく DEGRADGRAD(または D/R/G)と表示されているのが現在のモードです。基本的な使い方は関数電卓の使い方で解説しています。

三角関数で結果がずれる理由

sin・cos・tanは角度を受け取りますが、電卓は入力した数値を「現在のモードの単位」として解釈します。つまり同じ「1」を入れても、モードによって意味する角度が変わるため、結果が大きくずれます。実際に計算した値がこちらです。

  • sin(1) を RAD で計算:約 0.8414710(1ラジアン≒57.3度なので大きな値)
  • sin(1) を DEG で計算:約 0.0174524(1度はごくわずかな角度)
  • sin(1) を GRAD で計算:約 0.0157073(1グラード=0.9度)

このように、同じ入力でも桁が変わるほど差が出ます。「教科書の答えと合わない」ときは、数式ではなくモードを疑うのが正解です。角度モードそのものの意味は関数電卓とはもあわせて確認してください。

単位の換算関係

3つの単位は次の比で対応します。実際に計算して確かめた値です。

  • 一周:360度 = 2πラジアン(約6.283185)= 400グラード
  • 直角:90度 = π/2ラジアン(約1.570796)= 100グラード
  • 1ラジアン = 約57.29578度
  • 1グラード = 0.9度 = 約0.0157080ラジアン

度からラジアンへはπ/180を掛け、ラジアンから度へは180/πを掛けます。たとえば30度はπ/6(約0.5235988ラジアン)で、sin(30度)=0.5とちょうど計算が合います。

pythonで換算を検証する

電卓のモードを間違えていないか不安なときは、pythonで裏取りできます。mathモジュールの三角関数は常にラジアンで計算するため、度で考えたい場合は math.radians で変換します。

  • import math
  • math.radians(90) → 1.5707963267948966(直角のラジアン値)
  • math.degrees(1) → 57.29577951308232(1ラジアンの度数)
  • math.sin(1) → 0.8414709848078965(=電卓のRADモード)
  • math.sin(math.radians(1)) → 0.01745240643728351(=電卓のDEGモード)

電卓のRADモードの結果は math.sin(1)、DEGモードの結果は math.sin(math.radians(1)) と一致します。この対応を覚えておくと、どちらのモードで計算されたのかを逆算して確認できます。

モードの切り替えと使い分けの目安

多くの関数電卓では MODE または SETUP ボタンから角度モードを選びます。用途ごとの目安は次のとおりです。

  • 学校の三角比・図形問題:DEG(度)を使う。sin30度=0.5のように度で答えが与えられる。
  • 微分積分・物理・プログラミング:RAD(ラジアン)を使う。数式やライブラリの多くがラジアン前提。
  • 測量:GRAD(グラード)を使うことがある。

計算を始める前に画面のモード表示を必ず確認し、問題文が「度」なのか「ラジアン」なのかと一致させておけば、結果がずれる事故はほぼ防げます。ブラウザ上で試したいときはこちらのツールも利用できます。

よくある質問

電卓のRADとDEGはどちらを使えばいいですか?

問題や数式が「度」で書かれていればDEG、ラジアンやπで書かれていればRADを選びます。学校の三角比はDEG、微分積分や物理・プログラミングではRADが一般的です。

sinの答えが教科書と合わないのはなぜですか?

ほとんどの場合、角度モードの設定ミスです。たとえばsin(1)はRADなら約0.8414710、DEGなら約0.0174524と大きく異なります。まず画面のDEG/RAD表示を確認してください。

GRAD(グラード)はいつ使いますか?

GRADは一周を400とする単位で、直角がちょうど100になります。主に測量分野で使われ、1グラードは0.9度に相当します。通常の学習や計算ではほとんど使いません。

執筆者について

田中 誠 — 電卓ツール編集者

オンライン電卓ツールを管理し、計算方法の各ガイドを実際に検証しています。

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